こんにちは！伏見区の歯医者、いくま歯科医院です。

みなさんは歯医者さんでの治療を途中でやめてしまったことはありますか？治療を中断してしまう方の背景には、「痛みがなくなったから」「仕事が忙しいから」「通うのが面倒」「お金が心配」といった理由が存在します。

そこで今回は「治療に最後まで通うことの大切さ」をお伝えさせていただきます。この記事では、治療を中断することによるリスクや完了することの大切さなどを丁寧に解説していきます。

 

治療を中断することで起こりうる主なトラブル

応急処置だけで通院をやめてしまった場合

「とにかく痛みだけ何とかしてほしい」と急患で来られる患者さまには、まず応急処置を行います。ただし、これはあくまでも一時的な対処に過ぎません。痛みが引いたからといって、そのまま来院しなくなると、原因となっている虫歯や炎症がさらに進行し、数ヵ月後に激しい痛みや腫れとして再発するリスクが高くなります。

根の治療（根管治療）を途中でやめた場合

歯の神経まで虫歯が到達してしまった場合、歯の根の中（根管）を清掃・消毒し、薬を詰める「根管治療」が必要です。この治療は数回にわけて行われ、途中は仮のフタで閉じています。もし根管内が完全に清掃・密閉される前に治療をやめてしまうと、中で細菌が繁殖し、再び強い痛みが出たり、歯ぐきが腫れたりします。この状態が続くと、歯を保存できなくなり、抜歯せざるを得なくなることもあるため、特に注意が必要です。

 

被せ物（クラウン）の型取り後に通院をやめた場合

根の治療が終わったあとには、最終的な被せ物を作るための「型取り」を行います。しかし、その後に来院されないままになると、作製していた補綴物が使えなくなってしまうことがあります。口の中は常に変化しているため、時間が経てば噛み合わせや歯の位置もわずかにずれてしまい、せっかく作った補綴物が合わなくなることがあるのです。その場合、再度型取りが必要になり、治療期間も費用も余分にかかってしまいます。

仮歯を入れたまま放置した場合

仮歯は、あくまで最終的な被せ物ができるまでの「仮の歯」です。見た目や噛み合わせのバランスを保つ役割はありますが、耐久性は低く、時間の経過とともにすり減ったり、割れたりすることもあります。また、仮歯を長期間使っていると、噛み合わせがずれてしまったり、周囲の歯に悪影響を及ぼしたりすることも少なくありません。仮歯が調子良く感じていても、必ず本歯を装着するところまで治療を進めてください。

 

歯周病治療を途中でやめた場合

歯周病は「痛みが出にくく、気付きにくい病気」ですが、進行すると歯を支える骨が溶け、最終的には歯が抜け落ちてしまう恐ろしい病気です。歯肉の下に隠れた歯石を取り除く処置は、複数回の治療が必要になることが多くあります。途中でやめてしまうと、見えない部分で歯周病がどんどん進行し、次に来院したときには以前よりも状態が悪化していることがほとんどです。

 

なぜ歯の治療には“回数”がかかるのか？

「なんで1回で終わらないの？」という疑問を持たれる方も多いですが、口腔内は繊細で複雑な環境です。複数回に分けての治療が必要となる主な理由は次の通りです。 

・根の中の状態を慎重に確認する必要がある
・細菌の除去に時間がかかる
・歯ぐきの回復を待つ工程がある
・補綴物（被せ物や詰め物）の作製に日数が必要

 ひとつひとつの処置に医学的な根拠があることをご理解いただければ、途中で治療をやめるリスクも納得いただけるのではないでしょうか。

  

「治療完了」こそが予防のスタート地点

「痛みが治まったから、もう大丈夫」と思っていませんか？実は治療完了はゴールではなく、「予防のスタートライン」です。むし歯や歯周病は再発しやすく、再感染のリスクも高いため、治療後のメンテナンスこそが重要です。治療の途中でやめてしまうと、予防すべき時期を逃してしまいます。

治療を完了させることの大切さ

どんな治療でも、「途中でやめる」のは非常にリスクが高い行為です。とくに根の治療や歯周病治療のように、数回に分けて行う必要があるものは、患者さまの継続的な通院がなければ完了しません。そして、治療を途中で中断すると、いまある歯を守るどころか、悪化して抜歯につながる可能性もあるのです。

 

 ～中断してしまった方へ～再スタートはいつでもできます

「しばらく通えてなくて、今さら行きにくい…」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。でもご安心ください。私たちは、途中で中断した方の受け入れにも慣れています。

・症状の再チェックから無理のないスケジュールを提案
・必要があれば不安を取り除くカウンセリングを実施
・事前に治療の内容や順序を患者様にお伝えする

「きてよかった」と思っていただけるように、丁寧にサポートします。

～まとめ～最後まで通うことが、未来の自分への投資です

歯科治療の中断は、想像以上にお口と体に大きな影響を与えます。しかし正しく理解し、無理なく通える環境を整えることで、「続けられる治療」は十分に実現可能です。治療は最後まで、そしてその先の予防まで一緒に歩んでいきましょう。