虫歯じゃないのに歯が痛い?~TCHとは~|いくま歯科医院|京都市伏見区の一般歯科・予防歯科・歯周治療

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虫歯じゃないのに歯が痛い?~TCHとは~|いくま歯科医院|京都市伏見区の一般歯科・予防歯科・歯周治療

虫歯じゃないのに歯が痛い?~TCHとは~

 

こんにちは!いくま歯科医院です。 
皆さんは「TCH(tooth contacting habit)」という言葉をご存じでしょうか。 

TCHは、見過ごされがちですが、放置すると口内だけでなく
からだの様々な部分の健康に影響を及ぼす可能性があります。
今回は、TCHの基本から原因、問題点、そして改善方法についてお話ししていきます。

  

TCH(Tooth Contacting Habit)とは 

TCHとは「常にかんでいる癖」という現代病の一つで、私たちが日々の生活の中で、無意識にかんだまま過ごしてしまうことにより引き起こされます。

人間の上下の歯がかみ合う時間は24時間のうち18分程度とされています。つまり上下の歯が当たるのは食事の時、しゃべっている時、重いものを持つときや力を入れるときなどだけです。

しかしながら近年では常に噛んだまま過ごしている人が多くなってきています。たとえば、歩いている時、読書をしている時、料理をしている時、最近多いのはパソコンを使用している時などです。 その他に常にガムを噛んでいる、するめなどの嗜好物をよく食べているなども同じです。

 歯と歯が触れ合うことが習慣化されている「TCH」は、多くの人が気づかないうちにとっている行動です。この行動が長期にわたって続くことで、歯や顎に様々な悪影響を及ぼすことがあります。

TCHは、特にストレスを感じる時や集中している時に、無意識のうちに歯と歯が触れ合う行動です。睡眠中にも無意識に行われることがあり、これが慢性的な問題に発展することも少なくありません。 

 

TCHの原因 

現代のデジタルデバイスの普及により、長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用が増えています。これによる姿勢の悪化が、無意識のうちに歯を食いしばる癖を形成することがあり、TCHの原因の1つとなっています 

日常のストレスから無意識に歯を食いしばることが多くなり、これがTCHにつながっていることもあります。 また不正咬合も、無意識のうちに歯を食いしばる癖を悪化させることがあります。この状態が続くと、歯と歯が適切にかみあわないため、TCHが生じやすくなります。 

 

TCHの問題点 

このように、必要以上にかんでいる時間が長くなると奥歯の痛みが出るようになります。 この場合、「虫歯かな?」と思って歯医者にいっても異常は見つかりません。

この症状は年齢が高くなればなるほど出やすくなります。若いころはあごの骨も柔らかく力を吸収してくれるのですが、年齢とともに骨が固くなってくると歯が欠けたり、割れたりしやすくなります。  

TCHは歯の痛み以外にも「歯が欠ける」「かぶせが頻繁にとれる」「歯がしみる」などの症状が出やすくなり、最後は歯が割れて抜かなくてはならなくなることもまれではありません。ほかにもTCHによるトラブルは様々なものがあります。以下の症状の中で心当たりのある症状はないでしょうか? 

 

歯周病との関連 

歯を強く食いしばることは、歯ぐきに過度の圧力をかけるため、歯周病のリスクを高めると考えられています。 

岡山大学の研究では歯周病との関連も明らかになり、軽度歯周病患者の日中平均1時間当たりのかみしめは1.4分なのに対して、重度歯周病患者は最大咬合力の120%の強さで平均6.2分もかみしめているようです。 また睡眠時も重度歯周病患者は1時間当たり2.5分と経度の歯周病患者の平均0.7分より長いことがわかりました。

歯周病は、最終的には歯を失うことにもつながる非常に大きな問題です。  

顎関節症のリスク 

かんでいる時間が長くなり顎関節に過度なストレスがかかると、顎関節症を引き起こすリスクが高まります。これにより、顎の痛みや、口を開け閉めする際の不快感が生じることがあります。 

歯の摩耗とその影響 

継続的に歯と歯を合わせることによる歯の摩耗は、歯を敏感にし、冷たいものや熱いものがしみるといった症状を引き起こすことがあります。 

 

TCHの識別方法  

日常生活でのチェックポイント 

TCHを認識するためには、日常生活で自分の習慣を意識することが重要です。例えば、ストレスを感じた後に頭痛がする、耳の近くで音がする、歯が痛い、などの症状が現れた場合、それらはTCHの兆候かもしれません。 

チェック方法 

1.姿勢を正して正面を向き、目を閉じる
2.口を軽くとじる 

     

    この時に歯と歯が接触している場合、TCHの可能性があります。 

    また舌の側面に歯の跡がぼこぼことついている場合にもTCHをもっていることがあります。 

     

    TCHの改善法・対策  

    お口の理想の姿勢は唇を閉じたときに上下の歯の隙間が3mmほどあいて、舌が上あごにしっかりつきます。それができるようになるとお口のトラブルはぐっと少なくなります。歯をくいしばる癖に気づき、それをコントロールすることでTCHの症状を改善させることができます。 

    たとえば1つの方法としてトイレの壁や机の前に「歯と歯をつけない」などと付箋に書いて貼るというものがあります。そしてこの付箋を見るたびに歯と歯がくっついていないか意識するようにします。特定のサインや状況で歯を食いしばっていることに気づいた際に、それを意識的にやめることで、無意識の中でも徐々に歯と歯が触れないようになっていきます。 

    またほかに家庭でできる対策としては、日々のストレスを軽減するというものがあります。瞑想やヨガ、運動などをしてストレス発散することで無意識のうちに歯をかみしめてしまうことが減少する可能性があります。 

    また夜間に無意識に歯を食いしばる場合は、マウスピースの使用を検討すると良いでしょう。 

    TCHの改善に役立つ日常習慣 

    姿勢を正すことで、首や顎への負担を軽減し、TCHのリスクを低減します。デスクワーク中は、定期的に立ち上がって伸びをすることが有効です。長時間同じ姿勢での作業を避け、定期的に休憩を取ることが大切です。 

     

    まとめ 

    本記事をお読みいただきありがとうございます。TCHは、見過ごされがちですが、放置すると多くの健康問題を引き起こす可能性があります。この記事を通じて、TCHに関する知識を深め、日々の生活の中でできる対策を実践していただければと思います。何かご不明な点や、お悩みがございましたら、いくま歯科医院にお気軽にご相談ください。 

     

     

     

     

     

    監修歯科医師

    院長 伊熊 直記

    医療法人圭真会 いくま歯科医院
    院長 伊熊 直記

    経歴

    1966年 2月16日生まれ
    1990年 奥羽大学歯学部卒業
    1995年 伏見区にて「いくま歯科医院」開設
    2016年 京都府歯科医師会学術医院長
    2017年 同地区にて「医療法人圭真会いくま歯科医院」を開設
    2020年 京都インプラント研究会会長
    2022年 ノーベルインプラント京都プランニング教室塾長