歯が痛い
歯が痛い
「歯が痛い」といっても相談の内容はさまざまです。
歯の痛みは多くの場合、むし歯や歯周病といった口内の疾患が主な要因とされています。ただし、歯に直接的な問題がない場合でも、他の健康問題が原因で痛みが発生することがあります。治療法はそれぞれの原因に応じて大きく異なります。
そのため我々歯科医師は、患者様のお口の中の詳細な状況を丁寧に把握し、それに基づいた適切な治療計画を立てます。
歯はエナメル質、象牙質、セメント質という三つの硬い組織で構成されており、その中心には「歯髄」という神経組織が存在します。
歯の表面の白い部分はエナメル質と呼ばれ、カルシウムやリン酸などの結晶から形成されており、非常に硬いです。エナメル質は少しであれば、損傷を受けても再石灰化によって元の状態に戻る能力を持っています。またエナメル質事態には神経が存在しないため、痛みを感じることはありません。
象牙質は、歯の内部に位置するエナメル質を支えている組織で、歯の健康にとって非常に重要です。この象牙質が何らかの原因で露出すると、むし歯などの口内疾患が進行しやすくなります。
象牙質はエナメル質に比べて柔らかく、傷がつきやすい性質を持っています。そのため、損傷が内側の歯髄まで達すると、痛みが引き起こされることがあります。さらに、象牙質が傷つくと炎症が生じ、熱や腫れなどの症状があらわれます。
むし歯が進行して歯の神経に近づくと、冷たいもの、甘いもの、温かいものを摂取する際に歯がしみることがあります。これもむし歯による一般的な症状の一つです。
さらに虫歯が歯の神経に達すると、何もしていなくても激しい痛みが発生することがあります。このような場合は、しばしば歯の神経を除去する治療が必要になることがあります。虫歯は自然治癒しないため、定期的に歯科検診を受け、早期に適切な治療を開始することが重要です。
お困りのことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
歯周病とは、歯と歯肉のすき間(歯周ポケット)から細菌が侵入し、歯肉に炎症を引き起こしたり、歯を支える骨(歯槽骨)などが溶けたりする病気です。
日本では成人の80%がかかっていると言われています。
むし歯と異なり軽傷では痛みがなく、気づかないうちに進行する特徴があり、歯みがきや硬いものを食べるときに歯茎から血が出たり、歯茎が赤く腫れたり、歯がグラグラしていたりする症状は歯周病の症状です。
気づいたときには重症化していることも少なくないため、歯みがきを中心としたセルフケアで改善しない場合、お早めの受診をお勧めします。
歯の内部には「歯髄」と呼ばれる神経と血管があり、これがむし歯や外傷により感染するか壊死する場合があります。このようなときには、歯髄を除去する「根管治療」が必要になります。また、根幹治療を施した歯であっても、根の先端に膿がたまり、痛みや腫れを引き起こすことがあります。
根管は非常に細かく複雑な構造をしているため、根幹治療は歯科治療の中でも特に繊細で技術を要する治療です。重度のむし歯で「抜歯しか選択肢がない」と診断された場合でも、一度ご相談ください。